2013年4月27日土曜日

絞りとは?


f値の配列


開放絞り
f5.6
レンズを通り抜ける光の量を微調節する機構が絞りです。絞り羽根と呼ばれる複数の板を円形に重ね合わせそれを開閉して調節します。絞り羽根が7枚なら7角形の穴、9枚なら9角形の穴になります。枚数が多いほど円形に近づくため綺麗なボケが楽しめます。ただ、瞬間的に開閉させなければならないため、枚数には限界があります。

この多角形の穴の大きさを一定間隔で区切り数字を割り当てたのが「f値」です。f値にはどんな数字があるでしょうか?デジタルカメラの場合、2.8、3.2、3.5、4、4.5、5、5.6、6.3、7.1、8、9、10、11、13、14、16、18、20、22、25、29、32……これを覚えることができれば覚えてください。ただ、ほとんど無意味です。
f16

覚えるべきは、「2.8、4、5.6、8、11、16 」この6つでいいです。あとの数字はこれらの区切りをさらに3分割して割り当てただけですので覚えても意味がありません。f2.8とf4の中間はf2.8半。こんな感じで大丈夫です。上の写真はフィルムカメラの時代にレンズにf値の指標がついているものです。

この6つの数字はある法則で並んでいます。小数点以下があったり整数だったり規則性は解りにくいかもしれませんが、√2倍(1.4倍)の並びです。2.8×1.4=約4、4×1.4=5.6、5.6×1.4=約8、8×1.4=約11、11×1.4=約16となっています。

どうして単純な整数で計算できるようになっていないのかというと、レンズを通る光の量を穴(だいたい円形)の大きさで調節するからです。円の面積を変えて調節しているのです。円の面積を求める公式は

半径×半径×3.14






です。細かい計算は文系の私の専門ではありませんのでここでは解説しませんが、平方根(二乗根)が出てきそうなことは理解できると思います。√2=1.41421356…(ひとよひとよにひとみごろ)なんて覚え方がありましたね。

f値を1.4倍すると光の量は半分になります。さらに1.4倍するとその半分になります。この刻みを「1段」と呼びます。f2.8からf4にすることを「1段絞る」と言い、光の量は半分になります。f2.8からf11にすることを「4段絞る」と言い、光の量は1/8になります。

よって、f値の数字が小さいほどレンズは開放に近づけた状態。f値の数字が大きいほど絞り込んだ状態になります。


このf値は被写界深度(ピントが合っているように見える距離)に影響を与えます。f値が小さいほど被写界深度は浅く(ボケやすく)、f値が大きいほど被写界深度は深く(ボケにくく)なります。

人物写真のように背景をボカして人物を浮き上がらせる効果を狙いたいときはf値を小さくするべきです。集合写真のように全員の顔がはっきりわかるように撮りたいときはf値を大きくするべきです。

ただ、被写界深度は、レンズの焦点距離や被写体までの距離やセンサー(フィルム)のサイズなどで変わりますので、「人物撮影のf値は○」「風景写真のf値は○」「集合写真のf値は○」と一概に答えがあるわけではありません。自分の使っているレンズのそれぞれのf値がどのような被写界深度なのかをだいたいで構いませんので知っておくことが大切です。

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