2013年4月30日火曜日

適正露出とは?

露出が変わるということはカメラに入ってくる光の量が増減することです。光が多く入ってくれば明るめに写り、少なく入ってくれば暗い写真になります。どの程度の明るさに写すかを決めるのが露出コントロールです。
明るすぎて、白い部分のトーンが消えてしまっていることを「飛ぶ」と言い、暗すぎて黒い部分のディテールが分からなくなっていることを「潰れる」と言います。飛んだ部分が多い写真を「ハイキー」の写真、潰れた部分が多い写真を「ローキー」の写真と呼びます。

ハイキーとローキーのどちらにも偏りのない露出を「標準露出」と呼びますが、偏りのない写真が必ずしも最適な表現だとは言えません。晴天の雪山でスキーをしている写真の場合、標準的な明るさで撮影すれば周りの白い雪が飛ばないように写すため白い雪はグレーに近くなります。するとスキーヤーは肉眼で見るよりも暗めに写ることになります。そこでスキーヤーをもっと明るめに写るように露出をコントロールします。こうしてできた、撮影者の意図する明るさのことを「適正露出」と呼びます。

適正露出を得るために行う露出コントロールのことを「露出補正」と言います。露出補正の方法には、撮影シーンやどの撮影モードを使用するかによっていろいろな方法があります。プリント時に現像時間を変えたり、パソコンで補正したりすることもできますがそれはあくまでも最終段階の微調整であると捉えるべきです。後処理ができることは大変メリットは大きいのですが、それなりのリスクが伴うことにもなります。露出補正の方法は基本的な方法は次の4つです。

①カメラボディーによる露出補正
ほとんどのカメラには前後2段くらいの露出補正機能が付いて、予めカメラ内蔵露出計(TTL)の数値より明るめに(あるいは暗めに)写るようにセットしておくことができます。

②AEロックの活用
標準反射率をもつと思われる部分をスポット測光してAEロックをかけます。フレーミングを当初狙っていた位置に戻して撮影します。

③感度を切り替える
デジタルカメラならいつでも感度の切り替えは可能です。より明るくしたい場合は感度を上げ、暗くしたい場合は感度を下げます。

 ④マニュアルモードによる露出補正
絞りとシャッタースピードの両方を撮影者自らが選ぶことができるため、明るさも暗さも思い通りにコントロールすることができます。


 ①番は構図を変える度に補正の量を調節しなければならず、デジタルカメラの場合はダイナミックレンジ(識別可能な信号の情報量)がよりシビアなため、多少の露出ミスも致命的です。何度もチェックして補正の量を調節できる時間の余裕があるときのみ有効です。②番は測光モードの中のスポット測光を露出計として使う方法です。カメラの測光モードを常時スポット測光にしておくのは現実的ではありません。狙った露出を得るには最適ですが、測光モードの変更のわずらわしさや単体の露出計に比べると精度が落ちることなどから実用的ではありません。③番はカメラ内蔵露出計(TTL)を活用しないマニュアルモードの場合のみ有効です。ただ、明るさを求めて感度を高くし過ぎるとノイスが目立ち始めるため注意も必要です。④は絞りとシャッタースピードの組み合わせを変えて明るさを調節していきます。被写界深度がどの程度必要なのか、手持ちでもブレないか、などを考えながら撮影者の主体性を重視した補正方法です。ほんの十数年前までは④番の方法しか無く、それだけに撮影者の力量が問われ、表現意図が色濃く写真に出てくるのです。

絞りやシャッタースピードのそれぞれの数字が表現にどう影響するのかが大まかにでも分かっていないと最初はむずかしく感じるかもしれません。しかしカメラの機能に任せていてはいつまでたっても道具として使いこなすことは出来ません。さらに外部ストロボ撮影ではマニュアルモードでしか使えません。

0 件のコメント:

コメントを投稿