2013年4月26日金曜日

色空間(カラースペース)の選択 sRGBとAdobeRGB


デジタルカメラの撮影メニューの中に色空間という項目があり、sRGBかAdobeRGBかを選ぶことができます。カメラの使用説明書は「DCFオプション色空間」とか「ICCプロファイル」とか聞きなれない言葉が並んでいてちんぷんかんぷん…。

僕もつい最近まで、「sRGBで撮っておけば間違いないよ」という周りのカメラマンの意見を信じてsRGBに設定していました。確かにブライダルのスナップ、Web用の素材、作品撮りなどには問題ありませんでした。

しかし、とうとう先日、印刷物の仕事先の方から色に対してクレームが入りました。 このままでは大切な仕事を失いかねません。そこで今まで避けて通ってきてしまった色空間について勉強してみることにしました。

デジタル環境の変化はとても早く、今勉強したことが数年先には無意味なことになってしまうこともじゅうじゅう承知の上での話です。


sRGBはCRTモニター(最近ではほとんど見なくなったブラウン管モニタ)の色再現域を元に国際電気標準会議で定められた色空間。一般消費者がインターネットや閲覧ソフトなどで画像を見る場合、個々で所有しているモニタのメーカーが違ったりスペックが違ったりしてもある程度同じような色に見せて、いちいちプロファイルを使わなくてもいいように統一させたもの。

対してAdobeRGBは印刷物の色の再現域をカバーするための色空間。印刷の色にはモニタでは再現できない色があるため、モニタで再現できる色をベースとした色空間を頼りにするとモニタで見る色と実際に印刷された色に大きな違いが出てしまう。モニタで見る色が印刷物と違っていればレタッチもできない。そこで印刷目的に推奨される設定がAdobeRGBとなっている。


確かに納得はできますが、ということはホームページを作ったり複数の人と写真を共有することを目的とする場合はsRGBで撮影して、印刷目的の場合はAdobeRGBで撮影しましょうってことになります。しかし撮影の度に色空間を設定するのはちょっと面倒ですし忘れることもありますよね。

そこで、僕なりの解決策です。まず、カメラの色空間の設定は常時AdobeRGBにします。印刷目的の場合はAdobeRGBのデータのままレタッチして納品します。問題はWebでの使用が目的の場合です。AdobeRGBで撮影した画像をPhotoshopでWeb用に保存すると恐らく色がかすれてしまいます。この時「sRGBに変換」というところにチェックを入れて保存すると問題なくWebでも使用することができます。

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